過去の合同大会の情報
環境微生物系学会合同大会2014開催案内
本合同大会は、環境微生物系の3学会(日本微生物生態学会、日本土壌微生物学会、環境バイオテクノロジー学会)が初めて共同で主催する年次大会です。環境微生物の生態および機能に関する基礎的研究から、有用微生物の利用等によるテクノロジーへの応用研究まで広く研究成果・情報について、主催3学会に所属する会員が研究発表を行い、同時にシンポジウムにより最新・先端の研究成果の普及を図るものです。昨今、微生物の全ゲノム配列や環境メタゲノムが次々と明らかにされ、一方で、微視的、分子レベルでの微生物の機能の研究が盛んに行われている現状を踏まえ、「環境メタゲノム」「寄生と共生」「環境適応戦略」「微生物を見る」「水利用技術」「電子伝達」等のシンポジウムの企画を進めています。本合同大会を下記のように開催しますのでご案内いたします。ふるってご参加ください。
会期
2014年10月21日(火)~24日(金)
会場
浜松アクトシティコングレスセンター(静岡県浜松市中区板屋町111-1)
シンポジウム
①メタゲノムから見える環境と(微)生物の生き様-ここまでわかるメタゲノム解析
黒川 顕(東工大)、髙見英人(JAMSTEC)、佐藤博俊(京大)、石川美友紀(茨城大)、木村信忠(産総研)、山田拓司(東工大)
② 微生物の寄生と共生-その多様性と進化
成澤才彦(茨城大)、坂本一憲(千葉大)、宇佐見俊行(千葉大)、伊藤英臣(産総研)、重信秀治(基生研)
③ Marvelous strategy for bacterial survival -Sensing, Response, & Evolution-
増田真二(東工大)、福森義宏(金沢大)、加藤純一(広島大)、野尻秀昭(東大)、Jan Roelof van der Meer(ローザンヌ大)、Harold Drake(バイロイト大)
④ 微生物を見る
川田善正(静岡大)、岩田 太(静岡大)、中根大介(学習院大)、田岡 東(金沢大)、野村暢彦(筑波大)
⑤ 微生物社会学を基盤とした革新的水利用技術への挑戦
栗栖 太(東大)、野田尚宏(産総研)、豊福雅典(筑波大)、宮崎亮(産総研)、寺田昭彦(農工大)
⑥ 微生物細胞外電子伝達 -生態学的意義とバイオテクノロジー-
井上謙吾(宮崎大)、加藤創一郎(産総研)、中西周次(東大)、石井俊一(J. Craig Venter Institute)、天知誠吾(千葉大)、山村茂樹(国環研)
⑦ 土壌微生物学会60周年記念シンポジウム:21世紀の土壌微生物研究の目指すもの
村本 穣司(カリフォルニア大)、對馬誠也(農環研)、東樹宏和(京大)、妹尾啓史(東大)
プログラム
環境微生物系学会合同大会2014のプログラムはこちらからダウンロードしてください。
懇親会
① 日時: 10月23日(木)17:30~19:30
② 会場: アクトシティ浜松展示イベントホール
③ 住所: 静岡県浜松市中区板屋町111-1
④ 申し込み方法:ホームページからの大会参加申し込みの際に必要項目に記入する。送金は参加費と同じく郵便振替により行う。
⑤ 会費: 事前申し込み 一般6,000円、学生5,000円,事前申し込み以降 一般7,000円、学生6,000円
当日参加も可能ですが、参加を希望される場合は事前申し込み締め切り(9月1日正午)までに参加費と同時にご入金ください。
環境微生物系学会合同大会2014を振り返って
2014年度の微生物生態学会は、日本土壌微生物学会、環境バイオテクノロジー学会(NPO法人)との共催(協賛:日本菌学会、極限環境生物学会、日本ゲノム微生物学会)で、環境微生物系学会合同大会2014として実施しました。次回以降の環境微生物系学会合同大会の継続開催にむけて、みなさまからのご意見・ご感想を掲載します。
合同大会2014の感想(早大・藤谷)
この度,環境微生物合同大会に参加させていただき,大変充実した時間を過ごすことができました。環境微生物というキーワードで,様々な分野で活躍されている皆さんの研究発表を聞きながら大きな刺激を受けるとともに,より新鮮かつ柔軟な視点で研究に取り組めるような気持ちになりました。また,一緒に参加した学生にとっても貴重な機会だったようで,研究をスタートして日が浅い学生からすれば,同じ分野の研究をしている仲間との出会いや外部の先生からの叱咤激励によって,大きな勇気を頂いたであろうと思います。環境微生物へのアプローチは多岐に渡り,個々の研究者が持ち前の独創性と実行力で日々難問に対して果敢に挑戦しています。今回のような合同大会を通じて,活発な意見交換や共同研究が発展し,環境微生物分野における日本の科学技術が世界をリードしていけるような時代になることを願ってやみません。
合同大会2014の感想(東大AORI・伊知地)
私は日本微生物生態学会大会に10年間参加し続けてきましたが、未だにこの学会が大好きです。その要因の一つは、ISME Asiaとの合同大会、JKTシンポジウムの開催、今回の合同大会の開催など、この学会が常に刺激を与えてくれる変化によって進化してきたからだと感じています。この進化の道筋の一つとして、日本中の環境微生物系学会の合同大会開催は自然の流れであり、私は実現すると信じています。合同大会の開催は大変だとは思いますが、陰ながら応援しておりますので、偉い先生方よろしくお願いします。私はまだ若いつもりなので、合同大会若手交流会の開催に向けて尽力します。
合同大会2014の感想(名大・渡邉)
この度の合同大会に参加し、各会場で活発な議論が交わされたことに大いに刺激を受けたと同時に、現在の環境微生物研究の勢いをまざまざと感じました。私は土壌微生物学会と微生物生態学会の2つの学会に所属しております。それぞれの学会には特有の雰囲気があり、それぞれの分野で議論を深める場として重要だと思っております。一方、三学会の会員が一堂に会して開催された合同大会は、環境微生物研究の中でも様々な分野に分かれる今日、新しい視点からアイディアを得る、課題を再認識するきっかけを提供してくれた貴重な大会であったと思います。このような機会を提供してくださった、また合同大会の開催にあたってご尽力くださった大会実行委員会、準備委員会の先生方に感謝申し上げます。
合同大会2014の感想(農環研・多胡)
今回は“合同”大会でしたが、プログラムを眺めても、どの発表がどの学会に関連した発表なのか分からないほど、垣根なく沢山の興味深い発表がありました。自分の研究を見直す、あるいは進展させるためのヒントが詰まった大会だったと思います。Edward F. DeLong 博士のご講演に感激し、大会終了後、「また明日から研究頑張ろう!」という気持ちになりました。また他学会の会員から、生態分野の発表も新鮮で面白かったという感想も聞きました。異なる学会員同士で刺激になったにちがいありません。
合同大会2014の感想(東大・岩崎)
合同大会には、周辺領域の研究者の大会への参加を促進していく意味でも、大きな意味があるだろうと考えています。多くの学問分野にとって、周辺領域の新たな技術や概念を積極的に取り込むことはしばしば進展の鍵となるものであり、face-to-faceで交流する場としての学会大会の重要な役割の一つと言えるでしょう。しかしながら、一般に自身の研究領域でも複数の学会大会に参加する必要がある周辺領域の研究者にとって、環境微生物に関連する大会が複数開催されている状況は、この分野に新たに参画する上でのリソース、時間、心理面でのハードルとなり得ます。浜松で開催された合同大会2014は、充実した素晴らしい大会でした。合同大会の開催には学会間の文化の違いもあり大きな困難が伴うものですが、実行委員会の先生方のご尽力に敬意を表します。